コラム

2009年11月 染付雪景色文皿 鍋島様式 18世紀前期
染付雪景色文皿 鍋島様式 18世紀前期

 現在、(財)今右衛門古陶磁美術館にて開催中の「描かれた白」展に出品、展示している作品である。
当美術館には数多くの鍋島・古伊万里の古陶磁を所蔵しているが、展示の際、改めてよく観察することにより見えてくることが多々ある。
この作品も塗り残しの白により雪を表現していることで今回展示したが、丁寧に見ると、塗り残す方法として「墨はじき」がここにも使われていることが見えてきた。
今さらながら鍋島における「墨はじき」の使い方の妙に感心させられる思いであった。

(文:14代今泉今右衛門)