色鍋島今右衛門技術保存会

 今右衛門窯の色絵磁器は、江戸期の技術と美意識が脈々と伝えられ、その技術は昭和27年、文化財保護委員会より「無形文化財」に選定されています。その後文化財保護法の改正により、昭和46年、国の重要無形文化財保持団体の認定を受け、さらに十二代の没後、代表者が変わることにより改めて色鍋島今右衛門技術保存会が組織され、昭和51年、国の重要無形文化財保持団体の認定を受け現在まで続いております。
 色鍋島は柞灰釉による青みのある釉薬に特徴があります。今右衛門では、この柞灰釉による青みのある釉薬に、染付の青、上絵の赤、黄、緑により、色鍋島特有の斬新であり洗練された草花文様が描かれ、風格と品格を併せ持つ色絵磁器を追求しています。
 制作工程は、丸物、型打ちによる轆轤成型、染付の線書き、濃み、柞灰釉、松木による焼成、赤絵付の線書き、濃みなど15工程に分けられ分業により制作されます。そして、できるだけ藩窯時代に準じた磁土、釉薬、絵具、用具、技術などを駆使して、会員の技術向上及び後継者育成のため、日々研鑽が行われています。

  • 特徴的な技術・伝統

    色鍋島は、柞灰釉による青みのある釉薬に特徴があります。「色鍋島今右衛門」は、この柞灰釉による青みのある釉薬に染付の青、赤絵付けの赤、黄、緑、洗練された草花文様で構成された現代色絵の作品です。製作工程は、丸物、型打ちによる轆轤成型、染付の線書き、濃み、柞灰釉、松木による焼成、赤絵付の線書き、濃みなど15工程に分けられます。
    そして、藩窯時代に準じた磁土、釉薬、絵具、用具、技術などを駆使して、会員の技術向上及び後継者育成のため、日々研鑽が行われています。

  • 細工

    昔ながらの道具を使い、丸物造りと型打ち造りの轆轤細工により造られ、かな目を水ぬぐいにより拭き上げ生地造りが完成します。

  • 仲だち

    内側に瓢箪墨で文様が描かれた仲だち紙を素焼きにあて、染付書きのおおよそのあたりをつけます。

  • 染付書き

    仲だちされたあたりに従い線書きをします。均一な線書きの中にも若干の強弱の書き方が求められるため、熟練を要する技術です。

  • 染付濃み

    []む」とは有田では塗ることをいいます。素焼きの生地が水分を吸収するため、太い筆に絵具を十分吸わせ、根元を絞りながら塗っていきます。

  • 施釉

    江戸期より釉薬は宮崎、鹿児島でとれる柞の木の皮を最適なものとして使っています。

  • 本焼き焼成

    ねらし(あぶり焚き)24時間、せめ焚き6時間、あげ火6時間程で1300度まで上げ、焚きあげます。

  • 赤絵書き濃み

    本窯から上がったものに赤絵具で線書きし、そのなかを花濃みで葉の染付の線の中をうす青(緑)、きび(黄)で濃めます。

  • 赤絵窯焼成

    赤絵付けされた生地を赤絵窯に入れ、810度の温度で焚きあげ完成します。素焼、本窯、赤絵窯と三度の窯を経て作品が完成します。