江戸期、古伊万里の型物と呼ばれる「色絵龍赤玉文鉢」を基に、大きさをひとまわり大きく、精巧に造られた11代今右衛門の代表作である。高台裏に「皇紀2600年、今右衛門造」と染付にて書かれており、昭和15年皇紀2600年の祝賀行事のために特別制作されたものと思われる。皇紀2600年と書かれた11代の作品は他にも数種みられ、祝事を華やかに盛り上げるために、当時、精魂傾けて制作にあたったことが作品からうかがえる。 (文・14代今泉今右衛門)