十二代今右衛門は、大正から昭和にかけての色鍋島の復興を制作面から支え続けた。 昭和の初期頃は江戸期の鍋島、古伊万里の復刻の作品が多いが、昭和30年頃からは色鍋島の技術を継承しながら創作性のある作品の制作に取り組んでいる。この色鍋島唐花文額皿も、江戸期の色鍋島の文様を基に、染付の藍色を基調として堂々とした風格ある作品に仕上がっている。十三代のリズムカルな作品とは違い、十二代の重厚な雰囲気が伝わってくる。 (文・14代今泉今右衛門)