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古陶磁コラム  
2008年12月

色絵椿つなぎ文千代口

鍋島様式・17世紀後期
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 色鍋島の代表的な千代口である。今でこそ代表的といっても誰も疑わない作品であるが、父が購入した50年程前、その東京の有名な古美術商では、はっきりと鍋島とは解っていなかったということである。そして購入した折、父が「これは、いい鍋島ですねー」と言って店を出てきたら、次回そのお店に訪ねてみると、あと一点同じ「椿つなぎ文千代口」があったらしく展示してあり、価格が五倍に高くなっていて、大変驚いたということである。
「墨はじき」による縦線を背景として、椿つなぎ文を浮かび上がるような意匠は絶妙であり、鍋島の風格と品格を感じさせる名品である。

(文・14代今泉今右衛門)


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