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特別企画展
墨はじき展
江戸初期、朝鮮半島から伝わる技術により有田の磁器生産は始まりますが、その後時代の変遷とともに有田独自の技法も生まれます。そして十七世紀中期、白抜きの「墨はじき」の技術が使われたとみられる作品が現れます。
この度、(公財)今右衛門古陶磁美術館では特別企画展として「墨はじき展」を開催いたします。「墨はじき」とは、墨で文様を描き、そのうえを絵具で塗ると墨の膠分が絵具をはじき、素焼窯で焼くと墨が焼き飛び、白抜きの文様が浮き出てくるという染織のろうけつ染とよく似た技法です。この「墨はじき」の技法は、古伊万里では単なる白抜きの文様として使われていますが、鍋島では主文様を引き立たせるため背景の地文様に使われることが多く、青海波文や紗綾型文が「墨はじき」で表現されています。しかし鍋島の作品のなかには、背景だけではなくさまざまな使われ方がなされ、鍋島の意匠の多様性を支えていることが解ります。今回は、江戸期の古伊万里・鍋島の「墨はじき」の技法が使われている作品と、歴代の今右衛門や十四代今右衛門の「墨はじき」の作品を交え展示いたします。
控え目ではありますが、鍋島に欠かすことができない技法「墨はじき」の美の世界をご堪能いただきましたら幸いに存じます。
■会期
平成27年5月14日(木)~7月20日(月・祝)
■会場
公益財団法人今右衛門古陶磁美術館
佐賀県西松浦郡有田町赤絵町2-1-11 電話0955-42-5550
■観覧料
一般500円(400円)、高・中・小生無料
※( )内は15名以上の団体
■開館時間
9:30~16:30
■休館日
5月17日(日)、毎週月曜日
(祝日の場合は翌日休館。7月20日(月)は開館)
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おもな展示作品 |
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