十二代は研究心深い陶工気質の肌で、近代色鍋島の復興に生涯を捧げた名工といえます。十代、十一代の教えの中で、御用赤絵屋の家門を継承し、昭和15年には、商工省の技術保存の指定を受けています。特に肥前古陶磁の時代考証や鑑査に当たっては、鋭い鑑識眼の持ち主でもありました。
また、昭和46年には色鍋島技術保存会の代表として、国の重要無形文化財の総合指定を受けました。
陶歴
1897年 | 今泉平兵衛(12代)生まれる |
---|---|
1948年 | 12代今泉今右衛門襲名 |
1952年 | 上絵付(色鍋島)の技術が、文化財保護委員会より、助成の措置を講ずべき無形文化財に選定される。 |
1954年 | 第一回無形文化財日本伝統工芸展に「色鍋島芙蓉絵高台皿」を招待出品する |
1955年 | 第二回日本伝統工芸展一般公募により出品する(以後毎回出品) |
1959年 | 皇太子御成婚に際し、和食器一揃い注文を受け納品する |
1967年 | 色鍋島の技術に対し、紫綬褒章を受ける |
1968年 | 色鍋島・古伊万里の蒐集品を展示するため、「今右衛門古陶磁参考館」を設立し、一般に公開する。 |
1971年 | 色鍋島技術保存会に対し、国の重要無形文化財総合指定の認定を受ける |
1972年 | 勲四等旭日小綬章を受ける |
1975年 | 「色鍋島草花更紗文花瓶」を、天皇・皇后両陛下アメリカ訪問に際し、フォード大統領夫妻への御土産品として、宮内庁よりお買い上げを賜る |
1975年 | 歿 |
作品集
色絵更紗文額皿 |
色絵緑地草花文陶筥 |