14代今泉今右衛門による連載コラムです。
コレクションなど様々な事柄をご紹介いたします。
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2013年04月KPMの碗皿
KPM(ベルリン王立磁器製陶所)で造られたアンティークの碗皿である。父は晩年、家族が集まり紅茶をいただくときは、これらのアンティークの碗皿を使っていた。どれを使うかはじゃんけんで決まる。この碗皿は皆の...
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2012年04月青磁盃 鈴木治作
数年前、日本橋の三越の美術部のショーケースに展示してあったものを求めた盃である。襲名前、知人とお酒の会を度々企画していた。その会でいただくお酒はほとんどが日本酒の冷酒であり、当時そのときに使う酒器とし...
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2012年01月青白磁瓜型瓶
最近、私自身忙しさにかまけ、ウェブサイトの連載コラムを勝手に休んでおりましたが、今年から心を入れ替えて、年四回書かせていただこうと思っております。このコーナーの回数は減りますが、今週の作品やお知らせ、...
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2010年10月ぐい呑 小山富士夫作
この季節に使いたくなる小山富士夫作のぐい呑である。父の遺品のひとつである。父が慕っていた小山先生がこちらに来られるたびに、「今度、お土産にぐい呑をもってくるから」と言われていたという。 しかし、有田に...
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2010年09月染付風車文皿 鍋島様式 17世紀後期
文様として描かれているものは風車なのか。現在、東京の六本木のサントリー美術館にて開催中の「誇り高きデザイン 鍋島」展にも同じ文様の高台皿が展示されている。通常、時代を追って展示される場合が多いが、この...
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2010年05月バカラガラス
バカラの100年程前のアンティークのグラスである。最初お店で見たときは、現代的な文様であるし、ガラスも古色がつかずクリアーで古いものとは思えなかった。購入し、家に持ち帰って使い勝手はいかがなものかと心...
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2010年04月杯 加守田窯作
実は、加守田窯の作品とは知らずに仕事場に飾ってあったものである。私が使っている仕事場は、元々は父の仕事場であり、父が使っていたものがそのまま残っている。描きかけの素焼、見本の焼物、初期伊万里や土物など...
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2010年03月盃 中里太亀作
10年程前、銀座のギャラリーにて求めた中里太亀さんの作品である。当時、知人が「中里太亀さんの作品はすごく使い心地が良くていいよ」と話していた。その後、銀座を歩いていると、「中里太亀展」の看板を偶然見つ...
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2010年02月「料理と器 立原正秋の世界」
かつて友人のT氏と知人を招いての「お酒の会」を開いていた頃に、二人とも常に手許に置き読んでいた(見ていた)本である。季節を大切にする編者の父親(立原正秋氏)の心情がしみわたる本であり、当時、事あるごと...
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2010年01月青白磁双魚文盃 八木 明作
10年以上程前に八木さんの個展にて求めた盃であり、私の晩酌に使わせていただく機会が最も多い盃でもある。この盃を求めたときは八木さんは不在であったが、次の個展で二つ目を求めたときは在廊中であった。「これ...
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2009年12月色鍋島万年青文高台皿 色鍋島今右衛門技術保存会作
3~4年前になるが、ある方から自分の記念として、作品の絵皿を造ってほしいとの依頼があった。「何かお好きなお花はありますか」と聞くと、「実は若々しい感じの万年青がすきなんです」との返事であった。「万年青...
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2009年11月染付雪景色文皿 鍋島様式 18世紀前期
現在、(財)今右衛門古陶磁美術館にて開催中の「描かれた白」展に出品、展示している作品である。当美術館には数多くの鍋島・古伊万里の古陶磁を所蔵しているが、展示の際、改めてよく観察することにより見えてく...
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2009年10月染付琵琶香合 11代今右衛門作 昭和初期
この琵琶の香合は、昭和4年の巳年に造られた11代今右衛門の作品である。琵琶は巳の守り神・弁財天が持つ道具とした巳の象徴であるが、よく出来た香合である。実はこの香合は15年程前、古くからの今右衛門贔屓の...
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2009年09月積層ガラス 小島有香子作
確か「Leaf」というタイトルがついた積層ガラスの作品である。平成19年日本伝統工芸展において高松宮記念賞を受賞された小島有香子さんの小品であり、層になったガラスの深みが幻想的である。数年前、日本橋三...
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2009年08月ボヘミアンガラス 20世紀前期
18年程前、ロンドンのアンティークショップにて求めたものである。有田とマイセンの姉妹都市再調印のツアーにてヨーロッパへ行った際、福岡の知人がアンティークの買い付けのためロンドンに滞在していたので、彼を...
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2009年07月瑠璃釉ぐい呑 古伊万里様式 17世紀前期
初期伊万里の瑠璃釉の珍しいぐい呑である。初期伊万里のなかで瑠璃釉を用いた香炉はよく見かけるが、ぐい呑の形は大変珍しい。そして、このぐい呑は、瑠璃釉の発色をよく見せるためか、白化粧をした上に瑠璃釉が施し...
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2009年06月白磁花器 鈴木治作
京都で師事した鈴木治先生の作品である。三年程前、先生のお墓参りの後、新門前町を散策していたときに購入したものである。京都にいた頃の話である。先生が信楽で穴窯を焼かれたとき、ご一緒させていただいた松本ヒ...
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2009年05月天目釉盃 中国
十数年前、東京のアンティークショップにて求めた天目釉の盃である。その店の方が言うには、沈没船から引き上げされた中国で造られた古陶器ということで、確かに釉調は深みがあり綺麗であったが、高台部分に貝が多数...
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2009年04月色絵唐花文蓋物 リモージュ作 20世紀前期
これは10年程前、イタリアへ旅行に行った際に父へお土産として買ってきたアンティークのピルケースである。これをフィレンツェのあるお店で見つけた途端、父はかねてから「手のひらに収まるようなものが好きだな」...
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2009年03月バカラのアンティークグラス 20世紀前期
バカラの100年程前のアンティークのグラスである。最初求めたのは京都のアンティークショップである。しかし、京都の修行中には買えるほどのお金も持っていなかったのでその時期ではなく、有田に戻り、京都の鈴木...