十三代今右衛門は、鍋島に吹墨・薄墨の技法を取り入れ、その後、更なる世界として吹墨と薄墨を重ね合わせる吹重ねの技法を確立した。この額皿は吹重ねの技法を世に問うた最初の作品である。 主文様の草花文を染付で描き、染付の吹墨を施し、その後全体に薄墨を重ね合わせ、染付の青から薄墨色に変わる微妙な色合いが美しい作品である。